2024年の年末から2025年6月までの昨シーズンでは、農薬を一切散布しない事は出来ませんでした。殺菌剤は散布せずに、えひめAIや納豆菌を散布しました。殺虫剤は少し散布しました。土づくりって、聞いたことあると思います。この土づくりについて、「土と内臓」という本のアプローチの仕方はとても面白いものでした。
土と内臓
植物は独立栄養生物ですが、全ての栄養素を合成できるわけではないそうです。「土と内臓 微生物がつくる世界」(リンク)には、P131 地下の経済が紹介されています。
肥料は植物が全部吸収しているわけではなく、微生物も吸収していて、その代謝生産物を植物が利用している。とか。植物が光合成して得た炭素を根から放出して、自分の必要な栄養素を微生物に作らせている。とか。農学部を卒業していない一般人の私にはびっくりするような事柄が記されていました。悪い菌(イチゴ作りの時に困る菌)をやっつける為に、農薬・殺菌剤を散布すると、植物が利用している菌も死んじゃうんじゃないか? って考えるようになりました。
放線菌
イチゴの収穫を終える時、前作の苺の株を畑の土に混ぜ込みます。そうすると、次回の畝立てまでに、前作のイチゴの残渣は綺麗に無くなってしまいます。微生物が分解してくれるのです。放線菌(リンク)もそんな微生物の1つです。しかも、放線菌は、線虫対策や病気対策にもなるらしいのです。沢山増えてくれると心強いのですが、困難な事があります。それは、㏗です。放線菌は中性からほんの少しアルカリ側が好きな菌。イチゴは中性よりも酸性側が好きな植物。簡単にはタッグを組んでくれなさそうです。( ノД`)シクシク…
カニ殻
放線菌を増やすには、餌となるキチン質があると良いらしいのです。そこで、川合肥料さんの高級肥料カニ殻(リンク)を畑に投入することにしました。
昨年もその前の年も、毎年米ぬかを撒いていました。それを、今年からカニ殻に変更です。匂いが、ものすごく良くて、おなかが空いてきます。鳥が寄ってきて食べちゃうから気を付けないといけないみたいです。米ぬかは1棟に4袋・120Kg撒いていました。カニ殻は1棟に4袋80Kg撒きました。費用は4倍以上です。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
あとは、育苗の時に土に混ぜたり、定植後に歩きや株元に散布しているもみ殻くん炭が良い仕事をしてくれる事に期待です。自家製もみ殻くん炭(リンク)が放線菌のお家になるはずです。そうです。もみ殻くん炭は弱アルカリ性なのです。(`・∀・´)エッヘン!!
バークたい肥
「土と内臓」にも記されていましたが、大量の有機物が土づくりには不可欠です。そこで、バークたい肥を畑に運ぶことにしました。堆肥にはもみ殻を混ぜた牛糞堆肥などもありますが、今回は樹皮の堆肥にしました。安価なバークたい肥には、分解しづらい木部分が多く含まれているらしいので、信頼できる業者さんの高級バークたい肥を選択しました。
1棟に100袋・5000リットル・約2トンのバークたい肥を運びました。トラクターに取り付けた特製ソリで約8回往復しました。夕方涼しくなってから、朝暑くなるまでに、毎日毎日。。。気分はサンタクロースです。微生物にプレゼント♪
土耕栽培の菌根菌と美味しさの秘密
私達の目には見えない菌や昆虫、ぎりぎり見える小さな昆虫ー微生物が、土の中で有機物を分解してイチゴと根を介して共生しています。イチゴを育てる時に悪さをする病原菌や害虫を、殺菌剤や殺虫剤で退治すると、共生しているものも死んじゃいます。高設栽培と土耕栽培で味が違うと言われる事があります。もしも味が違うとすれば、植物と微生物との共生が関係しているのではないかと考えました。AIに検索させてみると、アーバスキュラー菌根菌(リンク)というのがあるみたいです。しかも、ずっと前からわかっていて、研究も沢山されていました。ただ、私が気づいていないだけ。私が知らないだけでした。土に植えるだけで、イチゴと自然が共生して、美味しい実が出来る。土づくりって、自然の循環なんだなって思いました。