2025年3月27日なんか、紅ほっぺも変だ!

先日、かおり野が変だ!! って書きました。よく見ると、紅ほっぺも変でした。

一般的に、紅ほっぺは冬の間、電照を使って樹勢を保って育てる品種です。さわこ苺農園では、紅ほっぺを2棟に分けて植えています。1棟は電照の無い畑、もう1棟は電照のある畑です。観光農園のいちご狩り用の畑には、かんな姫やよつぼしなど、電照があった方が良い品種と一緒に紅ほっぺを植えました。一方、定植苗数の関係でかおり野と一緒に植えた畑もあります。かおり野は電照がいらない品種です。2つの異なる環境に植えられた紅ほっぺに、今年は、顕著な差が見られました。

 

電照のある紅ほっぺ         電照の無い紅ほっぺ

①草丈が35㎝位に大きくなった    ①草丈は20㎝位でコンパクト

②ランナーが沢山出てきた      ②ランナーは1本も出ていない

③花の数が普通           ③花の数はいつもの3倍位

 

電照あり紅ほっぺは、2月22日まで電照されていました。例年、この頃にはイチゴが春を感じて動き始めます。電照を長引かせると、イチゴの株が徒長してしまうので、早めに電照終了しています。今年は、2月に入るとすぐに紅ほっぺが春を感じて動き始めました。この電照の効果で、寒さが3月20日まで続きましたが、草丈は伸びてゆきました。また、ランナーが出始めました。毎年、一番初めにランナーを伸ばすのが紅ほっぺです。次によつぼしが伸ばして、最後がかおり野です。

春を感じた紅ほっぺは、草丈を伸ばし、ランナーを伸ばしました。これは、栄養成長によるものです。栄養成長に傾くと、花芽になるものはランナーに変わってしまいます。

 

一方、電照なし紅ほっぺは、3月20日まで極寒の1~2月を過ごしていました。草丈はそれほど伸びず、ランナーは一切出ていませんでした。日長の変化を感じて、成長は進んだかもしれませんが、増えたのは花でした。

 

紅ほっぺの違いを見て、かおり野の体調不良について考察しました。

今年は冬が長く、なかなか栄養成長に傾かなかった。生殖成長に傾きながら、日長の変化を感じて株が成長した。2月20日頃から、生殖成長に傾きながら成長が加速したので、花芽が多く形成された。3月20日以降、季節が2か月先取りになった。これまでは、株が栄養成長していなかったが、寒さの為、多くの果実がゆっくり熟したのでなんとかバランスが保たれた。2か月先取りの気候のため、果実が全て熟した。美味しさを保つだけの光合成が出来ず、熟したすべてが枯れ熟れになった。さらに、山火事が起きるほどの乾燥のため、果実に水分を取られた株が疲弊した。

 

かおり野の調子を戻すため、大急ぎで、多すぎる実を摘果しました。おとといも、昨日も、美味しくない果実を60Kg以上廃棄しました。自分が食べたくないイチゴを、売るわけにはいかない。アルバイトさんにも、美味しくないイチゴをたくさん食べさせました。最後に美味しいイチゴを食べさせると、目をキラキラさせながら、全然違います。美味しいっていうのです。こうして、悲しい気持ちになって、悔しい気持ちになって、これからどうやって生きていけばいいかな? って、途方に暮れてしまいました。意外と、傷つきやすいハートの持ち主です。