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2025年3月15日無農薬について2

 灰色カビ病は、納豆を自家培養して、害虫は天敵を使ってみよう!

最初に調べたのは、現代農業(リンク)です。社団法人 農山漁村文化協会 通称:農文協 の出している雑誌です。初めてイチゴを作ることになった時、教科書が無くて片っ端から情報を集めるために使った雑誌です。真実かウソかわからない、日本全国のいろいろな農家さんの、「これがこれでこうなりました。」って言うのの寄せ集めのような雑誌です。納豆菌を調べると、いろいろ書いてありました。参考にして納豆菌を培養することが出来ました。納豆の匂いがする粘り気のあるような気がする液体です。調べていると、納豆菌と酵母菌と乳酸菌をまぜてえひめAIというものを作っている人がいることを知りました。早速、えひめAIを作ってみました。甘い匂いのする液体でした。光合成細菌というものも紹介されていたので、ついでに作ってみました。全部、案外簡単に作れる菌の液体でした。菌は自分で増えてくれるみたいです。そういえば、家では妻がヨーグルトメーカーでヨーグルトを自作していました。パンもイースト発酵して作っていました。雑誌を読むと、えひめAIはうどん粉病を予防できるようです。他にも、耐病性の発現を助けてくれるみたいでした。耐病性などの発現に関わる因子も紹介されていました。

同じ頃、テレビで放送されていた、植物がものすごい反応をしているという話がありました(リンク)。植物は、グルタミン酸チャンネルというものを使って、ある葉っぱが昆虫に食べられた時に、その葉っぱが昆虫に食べられていることを他の葉っぱ伝えているというものでした。そして、その信号を受けた葉っぱは、その葉っぱを食べている昆虫が消化不良を起こすような化合物を合成するというものでした。

えひめAIとかの情報と、最新の研究が私の頭の中で整理されて、無農薬でやっていけるかも! と思った瞬間でした。でも、殺菌剤については、まだ効果を見たことがないので、一歩踏み出すことにものすごく勇気が必要でした。しかし、私の研究者魂はすでに発火していて、見切り発車でどんどん進んでいきました。農薬をやめてみる。展着剤をやめてみる。えひめAIや納豆液、微量要素などの栄養で農薬は使わない葉面散布が始まりました。畑に灌水する時は光合成細菌をまぜました。自分で培養した、食べられるものから増やした自然の菌を、農薬を散布していた時と同じスケジュールで散布しました。効果はわかりません。でも、続けました。寒くなって、ビニールハウスに内張をする頃には、灰色カビ病が少しずつ増えました。自家製の菌液の散布濃度などを調整したり、散布後の換気方法など変更したりしました。農薬を散布していた時と同じくらいか、少し悪いくらいの状態を保てるようになりました。農薬を使っても、病害虫をゼロにすることは出来ない。どうせ出来ないのだから、多少の灰色カビ病は葉欠きで何とか乗り切ろう! 寒い時期の葉欠きは、光合成の減少につながり、イチゴの味に直結します。さわこ苺農園は「美味しいイチゴを作りたい」農園です。イチゴの味は保ちたい、灰色カビ病になったらイチゴの株が枯れちゃう。板挟みでした。

毎日、悪くなった葉を欠いても、2~3日経つとまた悪くなってる。1枚葉を欠く、2枚葉を欠く。ビニールマルチにくっついてる果実は、マルチとの間に水を付けていることがあって、そこが灰色カビ病になってしまう。大きくて美味しそうなイチゴだけど、収穫してみるとマルチの所だけ灰色カビ病になってる。今ではイチゴの登録が無くなってしまいましたが、ピクシオDFという農薬がありました。灰色カビ病によく効いていました。この農薬を使用していた時は、灰色カビ病で今回ほど困ることはありませんでした。農薬の力も理解しつつも、一度踏み出した歩みを止めることは出来ません。

これだけ苦労して栽培しているのだから、無農薬をアピールしよう(リンク

<続く>