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無農薬を思いついた次の年の育苗の事

2024年末に無農薬でイチゴを育てよう!と、思いつきました。翌年の春には虫の大群に見舞われてしまいました。数ヶ月で頓挫した無農薬でした(リンク)。そんな年のイチゴ定植苗の育苗についての振り返りです。察しの良い方には、もうばれていると思いますが、無農薬で育苗しようと思い立ちました (*>д<*)ゲッ      数カ月前に失敗したばかりでしたが、全く懲りていないようです。まあ、うまくいくかどうか、やってみなくては分かりません。そこで、初めての挑戦なので、いろいろ対策しました。

対策①「コンフューザーⅤ」

コンフューザーⅤ
コンフューザーⅤ

初めて使いました。コンフューザーⅤ(リンク)は、ハスモンヨトウとかコナガの幼虫が成虫になった後、次世代を増やすことが出来ないようにするフェロモン剤です。一袋に50本入りです。さわこ苺農園の育苗ハウスは全部で3棟、約5aアール(500㎡)なので、一袋50本を均等に設置しました。4カ月くらい効果が続くそうです。でも、効果が無くなっているのか、残っているのか見ることが出来ないので心配な資材です。

対策②「スパイデックス バイタル」

スパイデックスバイタル
スパイデックスバイタル

イチゴハウスでハダニ対策に使用しています。スパイデックス バイタル(リンク)はチリカブリダニという天敵です。育苗ハウスでも、毎年ハダニに悩まされていましたが、これまでは、殺ダニ剤で対処していました。今年は、これで乗り切れるか試してみます。

対策③「ククメリスEX」

ククメリスEX
ククメリスEX

初めて使いました。ククメリスEX(リンク)は、ククメリスカブリダニという天敵です。アザミウマやチャノホコリダニを食べてくれるみたいです。チャノホコリダニは小さくて見えません。昔、何か変だな~、何か変だな~と思っても何が原因か分からなかったのがこれでした。私達の池田先生が「チャノホコリダニじゃないか?」と言われたので、対応する殺虫剤を散布したところ症状が改善しました。それから、育苗中は見えなくても症状が無くても、予防で殺虫剤を散布していました。なので、無農薬の場合はずせない対策と思いました。

対策④「アフィパール」

アフィパール
アフィパール

イチゴハウスで使っていました。アフィパール(リンク)は、コレマンアブラバチという天敵です。アブラムシに寄生して自分の子孫を増やす寄生バチです。年内のハウスでは、気温が下がるために効果が今一つでした。春からの育苗では活躍が期待されます。1点、気温が30度を超えると、上手に羽化しないみたいですので、効果は梅雨明け頃までかもしれません。

対策⑤「自家製えひめAI」

対策①~④までは虫対策でした。ここでやっと、菌対策。おなじみのえひめAI登場です。イチゴのハウスで、うどんこ病とか灰色カビ病対策に使っています。育苗ハウスでは、朝晩水やりしています。そこで、この水に混ぜて対策することにしました。万能ではないと思うのですが、心配なのは炭疽病です。

 

中間結果

かおり野親株2棟目
右側の緑色が防鳥ネット

夏の暑さ対策のため、育苗ハウスの防虫ネットは取り外してあります。代わりに、目の粗い防鳥ネットがついています。その為、蝶々や蛾は入り放題です。小さいハダニやアブラムシはもちろん素通りです。蝶々や蛾には対策①、ハダニなどには対策②③、アブラムシには対策④です。

万全の対策で育苗に臨みましたが、ハウス外から飛んできたハスモンヨトウが卵を産み付けたみたいです。元気なヨトウムシが大量発生しました。殺虫剤テデトールで対処を試みたのですが、多勢に無勢。仕方なく対策⑤を行うことにしました。毎日テデトールを行いながら、2週間に1回エコマスターを散布することにしました。対策の甲斐あって、ヨトウムシの被害は小康状態に入りました。でも、順調に推移したのは、8月4日まででした。夏の暑さによる潅水回数の増加で、思うように、エコマスターが散布できませんでした。ここから、9月2日のエコマスター散布まで、テデトール1択で対処しましたが、葉っぱもクラウンも食べられ放題でした。9月2日以降、少し大きくなったヨトウムシはやっつけることが出来なくなりました。もちろん、少しずつヨトウムシの密度は減少していきました。でも、ゼロにはなりませんでした。

無農薬ならではの予想外の効果もありました。トンボやカマキリ、クモがハウスの中にたくさん入ってきました。トンボは水やりの水から逃げ回る蛾を捕まえて食べてくれています。カマキリもムシャムシャと蛾を食べていました。クモの巣にも蛾が捕まっています。でも、ヨトウムシはゼロにはなっていません。

また、的中してしまった心配もありました。うどんこ病や灰色カビ病は発生しませんでしたが、炭疽病が発生してしまいました。これまで、毎年育てていた品種には多発しませんでしたが、今年の新品種である「スターナイト」が被害にあいました。8月26日頃から症状は見られました。はじめ、葉柄が折れて赤くなっていました。ヨトウムシに食べられたものと誤認していました。しかし、少し経つと同様の症状が増加しました。下葉欠きをしてくれていた人たちが追加報告をしてくれなかったので、発見も遅れていました。取り急ぎ、怪しい株の処分を行いました。そして、9月8日、対策⑥を行うことにしました。コサイド3000を散布します。それでも、炭疽病は止まることなく、結局準備した子苗の半分以上を処分する結果になりました。

他にも的中したことがあります。それは、アフィパールです。 どこに行ってしまったのか キョロ(「・ω・ )キョロ( 「・ω・)キョロ    それまで、沢山飛んでいたのに、いつの間にかいなくなってしまいました。やはり、夏の暑さで上手に羽化できなかったようです。それまで沢山いたアブラムシも、どんどんアフィパールのマミーになっていて、たのもしく思っていたのですが残念でした。9月になり、本圃定植まではあと少しです。スパイデックスとククメリスの効果は小さくて見えにくいのですが、ハダニやホコリダニによる被害は殆ど、或いは全くありません。そこで、対策⑦を行うことにしました。サフオイル乳剤は気門封鎖剤なので、アブラムシ以外も小さい虫は死んでしまいます。でも、コサイド3000と混用が可能です。アブラムシが見える所だけスポット処理して、生きているはずの天敵の温存もはかりました。

 

対策⑤「殺虫剤テデトール」「殺虫剤エコマスターBT」

テデトールは、無農薬栽培では有名な殺虫剤です。

エコマスターBT
エコマスターBT

一方、エコマスターBT(リンク)は、初めて使用したのですが有機JASで使える自然な成分で作られた農薬です。ヨトウムシの幼虫(すごく小さいやつ)が食べると、おなかが痛くなって死んでしまうようです。でも、大きくなると腹痛に耐えてしまうみたいです。  ( ;´Д`)イヤァァァァ!!

対策⑥殺菌剤「コサイド3000」

コサイド3000
コサイド3000

イチゴハウスで以前使用していました。コサイド3000(リンク)は、有機JASで使える自然な成分で作られた農薬です。炭疽病の他、いろいろな殺菌効果があります。でも、単純な銅が成分であるため、コサイド3000散布後には、一部の農薬が散布できなくなります。それは、イチゴの葉っぱに残っている銅の成分が、他の農薬と化学反応していしまうからです。こんな特性から、ちょっと利用しにくい農薬となっています。また、えひめAIと混ざっても中和反応を起こしてしまいます。   ギャー!ε=ε=(*ノ>Д<)ノ

対策⑦殺虫剤「サフオイル乳剤」

サフオイル乳剤
サフオイル乳剤

イチゴハウスで使用しています。サフオイル乳剤(リンク)は、有機JASで使える植物油から作られた農薬です。ハダニとかアブラムシの気門を封鎖して、窒息死させる薬です。しかも、ナミハダニに対しては、殺卵効果もあるみたいです。殺虫剤や殺ダニ剤は色々な天敵に影響がありますが、これなら、最小限に抑えながら利用できます。  (`・∀・´)エッヘン!!

 

最終結果

結果的に、無農薬でイチゴの育苗を乗り切ることは出来ませんでした。ちなみに、天敵やフェロモン剤は農薬として登録されています。使用している時点で無農薬ではありません。でも、家庭菜園的には、化学合成農薬や有機JAS認定の農薬を植物に噴霧しない事や、根から吸わせない事が無農薬なはずです。そういう意味で、無農薬は達成できませんでした。一段階緩くして、有機JASの農薬を使用して乗り切りました。無農薬に挑戦した事で、農薬を使って育苗をしていた事が、楽で安心だったなって思いました。そして、有機JASの農薬を上手に組み合わせると、何とか。なんとか!ぎりぎり。育苗が出来そうな感じがします。

でも、同時に湧いて出てくる疑問もあります。今年に関していえば、とにかく、ヨトウムシなどのイモムシ系が厄介でした。必殺テデトールで、追いかけて追いかけて。でも、ヨトウムシに追いつかれて追いつかれて。時間を使って、苗もダメになって。徒労に終わる。地球環境に良いから頑張る?自分の健康のために頑張る?自分が食べるわけじゃない、本圃に植える定植苗を無農薬(有機JAS)で頑張ることの意味とは何なんだろう???

トンボやカマキリは沢山いました。蜘蛛も沢山巣を張っていました。これまでの育苗とは風景が違ったのも事実です。あと一年。あと二年。毎年続けたら、トンボが沢山増える? カマキリが沢山増える? 蜘蛛が沢山増える? そしたら、ヨトウムシやヨトウガは少なくなるのでしょうか? ハダニやアブラムシも少なくなるのでしょうか? 答えは、続けないと分かりません。

 

苗を畑に植えたその後のあと

育苗が終わって、イチゴの苗を畑に定植しました。イチゴの苗はすくすくと育ちました。元気に大きくなって、10月には花も咲いてきました。

11月から収穫も始まりました。実も大きくなって赤い色がきれいで。これまでの苦労が飛んでいく幸せなときが訪れました。

っと?!

ん??

イチゴに穴が開いています。葉っぱが穴だらけです。しおれてくる株もあります。

これは!!!!!!!!

ヨトウムシです。

( ;´Д`)イヤァァァァ!!

定植が終わっても、ヨトウムシの恐怖は終わっていませんでした。農園のみんなで、毎日、テデトール。虫が苦手なみなみちゃんも、「ちょっと無理っす。」って言いながらも、顔を青くしながら頑張ってくれました。毎日、毎日テデトールしているうちに、ヨトウムシの隠れ方、ヨトウムシの見つけ方もわかりました  ナントッ∑(゚∀゚ノ)ノ       農薬を使わないために、テデトールの人件費がかかります。農薬の方がとっても安上がりです。育苗で頑張って、定植が終わってホッとして。こんなに、ヨトウムシの被害がすごいものだとは想像もしていませんでした。無農薬って、一歩譲って有機JASってとっても難しい。苦しい。大変。

この記事を書いている2026年1月14日も、朝のイチゴの収穫の時に、ヨトウムシをやっつけました。無農薬(有機JAS)って、イチゴとともに歩めないのではないかって思います。

 

それでも頑張れるのは?

こころが折れそうになっても、頑張ります。頑張れます。唯一、さわこ苺農園の目標

美味しいイチゴを作りたい

これを目的に生きています。土の中の微生物が、イチゴを美味しくしているはず。今は、そのように思っています。

なにより、「美味しい!」って、声をかけてもらえます。お客様が、美味しい♪ って笑顔になるのが、何より幸せで、毎日頑張っててよかった。って思えて、また頑張ろう!って思えて、だから、やっぱり、無農薬、一歩譲って有機JAS頑張ろう!って思ってしまいます。