2025年2月20日から始めたイチゴの糖度測定は、5月23日に終わりを迎えました。初めて毎日測定して、糖度の変化を感じました。今回はかおり野のデータしかありませんが、約4か月の結果をまとめてみました。
糖度の推移
まずは、糖度推移のグラフを示します。データは4L、3L、2L、L規格ごとに色分けされています。いずれの規格も4月6日頃に向けて糖度が低下して行っています。また、糖度が落ち切った後は再び糖度は上昇に転じました。春の味落ちという事が言われますが、明確に確認できることがわかりました。また、味落ちが終わった後は、糖度は復活するようです。復活したとはいっても、味落ち後に比べると、味落ち前の冬の方が糖度は高そうです。糖度の値も味落ち前の方が差が少なく、味落ち後は、糖度の差が激しくなっているようです。

糖度変化の理由
味落ち前は気温も低く、熟すまでに時間がかかります。熟すまでに時間がかかるため糖度の変化が少なくなります。味落ちは、苺の株が春を感じて栄養成長に傾く為に起きる変化です。体を大きくするために栄養を使うため、果実に貯蔵するものが減少します。味落ち後は、気温も高くなって来ていて、熟すまでの時間が短くなります。たまたま気温が低かったとか、雨が降ったなどの影響を受けやすくなるのではないかと思います。日も長くなり、光合成も活発に行われるため、ある程度まで糖度は乗るみたいです。
イチゴの糖度新発見は何だったのか
イチゴは大きいほど美味しいと言われます。2月20日からのデータしかないのですが、2月20日頃高かった糖度は、4月6日頃に向けて下降しています。下がり方の変化は4Lが大きく見えます。また、規格の小さいLは低下の度合いが少なく見えます。イチゴの糖度新発見!?(リンク)で感じていたのはこの変化の差が原因だったようです。糖度の低下が見られないために、糖度が高くなったような気がしたみたいです。
平均糖度
下の表は糖度の数値を示しています。規格ごとの平均値糖度はそんなに変わらないみたいです \(◎o◎)/! 糖度の高い時と低い時の平均値はイチゴの特性によるのかもしれません。もちろん、生産者の作り方にもよると思います。かおり野の平均糖度は14~15度位みたいです。今度は、11月の採れ初めから年末などの糖度も測ってみたいです。もっと正確な平均糖度が測れるはずです。また、他の品種の平均糖度も気になるところです。
規格ごとの平均糖度 | |||
4L | 3L | 2L | L |
14.8 | 15.0 | 14.8 | 14.4 |
規格ごとの最高糖度と日付 | |||
4L | 3L | 2L | L |
22.4 | 21.8 | 21.1 | 19.8 |
2月25日 | 2月21日 | 2月21日 | 3月20日 |
規格ごとの最低糖度と日付 | |||
4L | 3L | 2L | L |
10.6 | 10.4 | 11.6 | 9.8 |
4月6日 | 4月6日 | 4月2日 | 3月31日 |
最高糖度と最低糖度
表を見ると、4L~2Lのイチゴは2月21日頃に最高糖度になりました。でも、L規格のイチゴは3月20日の糖度が最高でした。しかも、他の規格に比べて1か月もずれて最高糖度になっています。なお、最高糖度の値は、規格通りになっています。4Lの糖度が一番高く、Lの糖度が一番低かったです。つまり、このデータがイチゴは大きいほどが美味しいの証拠のようです。一方、味落ちは4月2日頃で規格による日付の差はありませんでした。また、規格による最低糖度の差はなさそうです。今回のデータで、一番驚くのが、L規格の糖度の推移です。3月20日に最高糖度を記録したと思ったら、3月31日には最低糖度を記録しています。
味落ちの時期
味落ちの時期は、苺の株が栄養成長をする時です。栄養成長は、日長や気温に影響されます。日長は太陽と地球の関係で変化するので年によって変化しません。一方、気温は、エルニーニョ(リンク)やラニーニャなどで毎年異なります。2025年のかおり野の春の味落ちは4月2日頃でした。昨年はいつ頃だったんだろう (・・? 考えてもわかりません。来年の味落ちはいつだろう (・・? 今年の秋も糖度測定しようと思います。皆さんまた見てください。